上あごの犬歯が正常に生えないことが原因で、隣の前歯が歯根がなくなったり、抜けたりするケースがあることが、日本臨床矯正歯科医会の調査で明らかになりました。

現代人のあごが小さくなったことで、歯が生えるスペースが狭くなり、歯同士が異常に近接する場合があるためです。

同会は「小学校低学年ごろにエックス線診断をしてほしい」と呼びかけています。

●10、11歳が最多

同会が3月、発表されました。
会員の矯正歯科医約400人のうち30人から、8~26歳の患者のエックス線写真を診療時期を限らず集め、犬歯の異常が前歯に影響した症例110件を分析した結果、上あごの犬歯が本来生える10~12歳ごろを過ぎても生えなかったり、傾いて生えたりしており、その結果、上の前歯の歯根がなくなったり、なくなりかけたりしていた。
こうした症例は、女性が男性の1.9倍に上り、男女とも10、11歳が最多でした。

なぜ、犬歯の異常が歯根に影響するのでしょう?

同会学術担当理事の稲毛滋自(しげより)矯正歯科医師は、歯の中の「破歯(はし)細胞」の作用を指摘しています。
この細胞は、歯の表面に張り付いて、酸を出して歯を溶かし、乳歯が抜けやすくなるよう助ける働きがある。
しかし、犬歯が正常に生えず歯茎に埋まったりしたままだと、歯茎内で細胞が隣の歯根に密着し、溶かしてしいます。

●早めの矯正治療を

食生活の変化などに伴い、現代人は縄文人に比べてあごが小さいが、歯は大きくなりました。
このため、歯茎に歯が生える十分なスペースがなくなり、犬歯が生えなかったり、歯並びがデコボコになる「乱ぐい歯」などになったりする異常が起きます。
厚生労働省の歯科疾患調査では、12歳以上20歳未満で乱ぐい歯があるのは、2005年は約40%だったが2011年は約44%に増加。
上あごの犬歯が傾いて生えたり、歯茎に埋まったまま生えなかったりした異常な症例は、これまでの調査でも報告があったといいます。

犬歯の傾き程度と位置は、エックス線写真や触診で確認することができ、早めの矯正治療で歯根への影響を軽減することが可能です。
稲毛医師は「将来のリスクを見抜くため、小学校低学年ごろに口の中全体が写るパノラマエックス線写真を撮ることが有効」と話しています。

性交パートナー多数なら高リスク

米国ジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ校公衆衛生学部のグループがヒトパピローマウイルス(HPV)と口腔咽頭がんの関係を調べる研究を実施し、結果をNew England Jounal of Medicine(NEJM)誌5月10日号で報告しました。

口腔咽頭がんと診断された100人の患者と、癌の既往がなく良性の疾患で受診した200人を対象に多変量ロジスティック回帰モデルでHPV感染と口腔咽頭がんの関係を評価しています。
その結果、HPV感染と口腔咽頭がんの間に有意な相関がみられました。

HPV感染と口腔咽頭がんとの関係については「HPV-16の口腔感染」のオッズ比が14.6(95%信頼区間6.3-36.6)、「HPVのいずれかの口腔感染」のオッズ比は12.3(5.4-26.4)でした。
セックスパートナーの数が多い(26人以上)群では口腔咽頭がんのリスクが上昇し、「パートナーが0~5人」を基準としたオッズ比は3.1(1.5-6.5、p=0.002)でした。
オーラルセックスのパートナーの数が多い(6人以上)群のリスクも高く、「パートナーが0人」を基準としたオッズ比は3.4(1.3-8.8、p=0.009)でした。
「その場限りのパートナーがいる」「性交の初体験が17歳以下」「コンドームをほとんど使用しない」群の口腔咽頭がんの罹患リスクも高値でした。「得られた結果は、男性へのHPVワクチン接種を支持するものだ」と著者らは述べています。

(Gypsymmber D'Souza et al.NEJM.2007;356:1994-55)

口腔内HPV感染率、男性で高い

米国国民健康栄養調査(NHANES)から14-69歳の男女5579人を対象に、口腔内ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染率を横断研究で調査しました。全体の感染率は6.9%でした。年齢別では30-34歳で7.3%、60-64歳で11.4%と二峰性を示しました。男性は女性より有意に高値でした(10.1%対3.6%、P<0.001)。

文献:Prevalence of Oral HPV Infection in the United States, 2009-2010

難病治療に期待、大阪大

虫歯の原因となる「ミュータンス菌」の一種に感染すると、腹痛や腸内出血などを繰り返す難病の潰瘍性大腸炎となるリスクが4倍以上になることを、大阪大や横浜市立大、浜松医科大などのチームが突き止め、26日付の英科学誌サイエンティフィック・リポーツ電子版に発表しました。

潰瘍性大腸炎の原因は、体内の免疫異常などとされるが、はっきりしていません。
大阪大の和田孝一郎(わだ・こういちろう)准教授は「原因の一つが分かったので治療法の開発につながるかもしれない。一部の患者では口を清潔に保てば症状が改善する可能性もある」としています。

チームは「コラーゲン結合タンパク質」を持つなどする特定のタイプのミュータンス菌を、薬剤で軽度の腸炎を発症させたマウスに注射しました。
すると腸炎が悪化し、注射しない場合の生存率が約7割なのに対し、注射すると約2割に減りました。
注射したマウスを調べると、肝臓に菌が取り込まれ炎症に関連する物質が作られていました。免疫異常の引き金とみられます。

潰瘍性大腸炎患者98人の調査では56人がミュータンス菌に感染していました。
うち約14%が特定タイプで、発症リスクは健康な人の4.55倍になりました。
この菌をマウスの口から与えても影響しないが、比較的少量でも血中に入ると腸炎が悪化し、生存率が下がりました。

歯磨きでできる小さな傷にも注意が必要といいます。

※潰瘍性大腸炎
出血性の下痢や腹痛などを繰り返す炎症性疾患。難病情報センターによると、国内に11万人以上の患者がおり、毎年8千人ずつ増えています。
腸内細菌や免疫の異常、食生活の変化などとの関連が指摘されています。
ステロイド剤などの薬剤で炎症を抑える治療が主です。
重症の場合は大腸の全摘出などの手術が必要になることもあります。

中等度から重度の歯周炎患者は、歯肉が健康な人々と比較し、市中肺炎(CAP)のリスクが高いことを研究結果から示されています。

「十分に立証された研究から、主として歯周感染を有し、口腔内の衛生状態が不良な人々の口腔は呼吸器疾患の感染源とみなすことができます。したがって、肺疾患への進展における潜在的危険因子であることが示唆されている」とEduardo Saba-Chujfi(Sao Leopoldo Mandic Institute and Research Center、ブラジル・サンパウロ)らは説明しています。

これらのことからSaba-Chujfiは、CAPによる入院患者70人および他の疾患による入院患者(対照群)70人を対象とし、歯周の細菌感染のCAPリスクへの寄与について検討しました。European Journal of Clinical Microbiology and Infectious Diseasesでの報告によれば、Saba-Chujfiらは全患者を対象として、歯周ポケットの深さ(pocket probing depth, PPD)、歯周組織の付着の喪失(clinical attachment loss, CAL)、プロービング時の出血(bleeding on probing, BOP)および歯垢の有無を評価するため、詳細な歯周検査を実施しました。
CALおよびBOPの数値はCAP群で対照群よりも有意に高く、それぞれ3.16mmと1.99mm、0.33%と0.25%でした。慢性歯周炎の割合もCAP群で対照群よりも高く、61.4%と41.4%でした。
しかし、歯垢の有無はCAP群と対照群のいずれも高く、それぞれ97.1%と98.6%であり、またPPDのスコアは両群間に有意な差は認められませんでした。

年齢、民族、性別および喫煙状況を調整した追加解析から、中等度から重度の慢性歯周炎が存在すると、健康な歯肉を有する場合と比較し、CAPのリスクが4.4倍と有意に増大することが示されました。

「CAPは公衆衛生上の重要な問題であり、北米および南米の国民における高い罹病率および死亡率の原因となっている」とSaba-Chujfiらは述べています。
「介護施設入所者の適切な口腔衛生は、肺炎罹患率を効果的に低下させ、これらの高リスク集団に有意なベネフィットをもたらし、肺炎による罹病率および死亡率を低下させる可能性がある」とSaba-Chujfiらは結論付けています。

関節リウマチ/歯周病の治療で症状が改善

〔米オハイオ州クリーブランド〕ケースウェスタンリザーブ大学歯学部(クリーブランド)歯周病学のNabil Bissada教授らは,活動性の関節リウマチ(RA)患者において歯周病を治療すると、抗腫瘍壊死因子(TNF)α治療の有無にかかわらずRAの症状が著明に改善したとJournal of Periodontology(2009; 80: 535-540)に発表しました。

同大学歯学部長でもあるBissada教授らによると、この2つの疾患の関連性は以前から指摘されていました。しかし、共同研究者で同大学病院リウマチ科のAli Askari部長は「リウマチ専門医や他の臨床医は、歯周病が全身性疾患の原因として大きな役割を果たしているかもしれないという"神話"にとまどいを見せているようだ」と述べています。

Bissada教授らは今回の研究で、重度の歯周病も併発している中等度あるいは重度RA患者40例を対象に検討を行いました。被験者は、(1)非外科的治療と口腔衛生の指導を行う歯周病治療群(20例)(2)歯周病治療を行わない歯周病未治療群(20例)―にランダムに割り付けられました。
なお、全例が抗RA薬による治療を受けており、20例ではランダム化前から抗TNFα製剤が使用されていました。

その結果、6週間後、歯周病治療群では、ベースライン時と比べ疾患活動スコア(DAS28)と赤血球沈降速度(P<0.001)、および血清中のTNFα値(P<0.05)が有意に低下しました。一方、歯周病未治療群ではこのような変化は認められませんでした。
また、歯周病治療群では抗TNFα治療によってアタッチメントロス(CAL)、プロービング時の出血(BOP)、gingival index(GI)、歯周病ポケットの深さ(PD)が改善したが、歯周病未治療群では有意な改善は認められませんでした。

今回の結果を受けて同教授らは「RA患者の歯周病を治療すると、疼痛、腫脹関節数、朝のこわばりなどが軽減されることがわかりました。これは新しい治療介入と言える」と結論しています。

保育園児を追跡調査

「ガラガラ」と水をのどで鳴らすうがいは、風邪の予防策としておなじみです。
しかし実は、本当に効果があるのかどうかはほとんど研究されておらず、日本と韓国だけの習慣ともいわれます。
そんな中、浜松医大と九州大の研究チームが保育園児約1万9千人の調査を基に、うがいをする子どもは発熱を伴う風邪をひきにくくなるとの分析結果をまとめました。

チームの野田龍也(のだ・たつや)・浜松医大助教(公衆衛生学)は「うがいの効果について疑問を持つ専門家もいますが、やはり風邪の予防法として意義があると言えるのではないか」と話しています。

調査は2006年1~2月の約20日間、福岡市内の保育園145カ所に通う2~6歳児を対象に実施。
最低1日1回のうがいをする子どもが、しない子どもと比べて37・5度以上の発熱を伴う風邪をひきにくくなるかどうかを追跡しました。
すると、うがいにより発熱の頻度が68%に抑えられることが判明しました。
この効果は年長ほど大きい傾向があり、4歳児では46%、5歳児では41%まで頻度が低下しました。
また、うがいに使う液体の種類によって効果が大きく違うことも分かりました。
水道水では発熱の頻度が70%になったのに対し、食塩水では50%、アルカリイオンなどを含む機能水では46%、緑茶では32%まで下がりました。

どういう仕組みで風邪の予防になるのかは不明なままですが、子どもの発熱のほとんどはウイルスが原因のため、野田さんは「ウイルスを洗い流すのと同時に、水道水に含まれる塩素や緑茶のカテキンなどの物質が消毒効果を発揮しているのではないか」と話しています。

■治療を終えて一言お願いします。
歯がきれいになった気がします。

■治療全体の感想をお願いします。
クリーニングの大切さを感じます。

■治療を終えて一言お願いします。
とてもよかったです。
親切だと思います。

■治療全体の感想をお願いします。
よいです。
安心して治療をお願いできます。

■治療を終えて一言お願いします。
子供の矯正治療:安価でしっかりやって頂けたと感じています。

■治療全体の感想をお願いします。
磨き残しのチェックなど、毎回ていねいに対応していただいて良いと思います。
ただし、子供のみがき残しチェックはフッ素の時に同時にしてもらうだけで良いのではないかと感じます。

■治療を終えて一言お願いします。
良かった。